2007年
6月21日 新刊発行

 (表紙写真提供:BUSINESS WEEKLY)
70歳
 太平洋処女航海

<はじめに>
    著者 村田和雄


発行日:平成19年6月21日
ISBN978-4-901298-08-7 C1010
著者   村田和雄
価格   1800円 消費税別
B6版   約320頁
発行所  (株)エイバックズーム
発行者  堀部 茂遠
<著者プロフィール>

1935年 静岡市に生まれる。
1959年 静岡高校を経て横浜国立大学を卒業、湯浅電池(株)入社
1981年から89年まで英国駐在
ユアサコーポレーション(株)代表取締役専務を経て2000年退任
2005年までデルタ電子(株)上級顧問
* 電気化学協会、棚橋賞受賞
* 英国女王賞(英国ユアサ電池)受賞
* How to make Japanese management work in the west 出版
* 日本インダストリアル・エンジニアリング協会文献賞受賞
* 国際レーザー協会、アウトスタンディング・アチーブメント・アウォード
* 筑波大学 ビジネススクール非常勤講師(2年間)
京都ヨットクラブ所属
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    <序文>     <出版社のコメント>     <著者インタビュー>    トップへ戻る

 はじめに

 1962年に堀江謙一さんがヨットで果たした太平洋を単独でサンフランシスコまで渡るという同じ夢を、44年後に私も7.8メートルのふねでやってみた。堀江さんが人生の初めのころに挑戦したものを私は人生の終盤に挑戦したことになる。
 ともに処女航海だ。処女航海は経験のない状態で挑戦するものだから不安はある。 準備もそれなりに万全を期し100%生きて帰る意気込みではあったが、結果は50:50と覚悟していた。

 堀江さんは当時23歳で、私が思いもよらないことをやり遂げた。感動し、感激したが、其の時3歳年上の私はすでに就職し結婚もして仕事をする決意をかためた頃であった。
 いつか機会をみて私も挑戦してみたいと思い続け、やっと44年後の70歳にして実現することができたのである。北太平洋は生やさしいものではなかったが、ふねも身体も無傷に近い状態で実現できたことは大きな喜びであった。
 夢は大河のごとく、あるときは地中にもぐり、あるときは復流水となって地表に流れ、脈々と途切れることなく大海に出ることができたことは幸運であった。
 なにごとも、意志をもち続け、備えることを続けていれば必ずチャンスはくると信じるものの一人である。

 この本は夢をもちながらのサラリーマン人生と、決行半年前の瀬戸内海、中島での冬の一人合宿、太平洋航海、サンフランシスコでの友人との出会い、加えて人生のもろもろの思いを書いたものである。
 私の航海は70歳の記念行事としたので、世界中の友人に島や、海からの便りを出すことにした。下手な英文ではじめたところ、学生時代からの親友である元山さんがこの英文を読み、元気が出るから是非日本の人にも読んでもらったら、と提案してきた。私は”洋上では時間がないので貴方が日本語にしてくれるならどうぞ”といったところ、結局、彼が日本語に翻訳しエイバックズーム社の堀部さんのルートで日本のネットにものることになった。そして出版の機会を得た。
 この航海ではいろいろのことを感じたが、人間が極限状態の恐怖に直面した時は純粋に祈ることのみができることであることを実感し、原始宗教の根源を垣間見た気がした。
 また、太平洋の真中でお椀を逆さにしたような頂でただ一人、人間を代表する気持ちにもなり、宇宙における生物としての自分とは何かを見つめる機会でもあった。
 70歳の男が、人生を振り返り、時代を見つめ、人類の将来を見つめ、生物を見つめ、命をより緻密に実感した記録でもある。 
 この本のどこかに、あなたの人生をより豊かにするものがあれば、大変嬉しく思います。
                         2007年5月  村田和雄
 


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